1979-80年時点のヘッドフォンリスト
HifFi STEREO GUIDE1979-80収録のヘッドフォン
概況
(国内)
オープンエア型の機種はごく一般的なものになっている。鑑賞用に限定すれば主流といっても過言ではない。かつて主流だったコーン型ユニットの密閉型はソニーやパイオニアなどでまだ残っているがこの後数年で姿を消す。
動電全面駆動型は曲がり角を迎えている。この少し前までは新製品が登場していたが、この時期の新製品はこの動作方式に熱心だったトリオとヤマハに1機種ずつあるのみである。トリオのKH-85はこのブランド最後の動電全面駆動型であり、ヤマハのYH-100も内容的にはHP-1の改良機種であり、新規の試みがある機種ではない。
1975年では各社がそろえていた4チャンネルステレオはほぼ姿を消している。ビクターが2機種を残しているのは4チャンネルステレオ騒動の首謀者の一人としての責任ゆえか?
コンデンサー型も節目を迎えている。1970年代前半登場の機種は姿を消し、スタックス以外の参入会社の最高機種が揃ったのがこの時期である。これまでエレクトレット型を作っていたメーカーが純コンデンサー型を作り、膜厚も2ミクロン級が揃った。またコンデンサー型の中心にいたスタックスでは現行のSR-404のオリジナルモデルであるSR-Λをデビューさせている。しかしその一方でコンデンサー型を扱っていたマイクロ、ナポレックスがヘッドフォンから撤退したのがこの時期である。
ブランド別にみればパイオニアはコーン型からドーム型の一種であるバリアブルチェンバー方式に主力を移す時期を迎えている。純コンデンサー型のSE-1000を投入し、この翌年には長らくパイオニアの最高価格機種となるMaster-1Gを発売する。非常に活発に活動していたことがわかる。現在の大手ブランド、テクニカは自社ブランド立ち上げ直後であり、ソニーも決して活発な状況ではなかった。
エレガは節目を迎えていた。この時期にはコンデンサー型からは撤退し、1978年には3機種あった動電全面駆動型も1機種にしぼっている。OEM供給が主体とした同社はダイナミック型の時代を感じていたのであろうか?
ソニーの動きが活発となってきたのがこの時期だ。無骨なデザインのコーン型を生産中止し、鑑賞用のSシリーズや本格的なドーム型のZシリーズの開発を経て、この後数年間、国内ヘッドフォン市場に多大な影響を及ぼしたMDR-3,5をデビューさせた。
(海外)
AKG、ベイヤー、コス、ゼンハイザー等名門とされるブランドはラインナップが整いだした。AKGは代表作であるK240が登場し、入門機から業務用モデル(K160)、最高級機(K340)まで揃った。鑑賞用モデルがなかったベイヤーもDT-440が登場し、コスも1975年からラインアップを一新している。まだゼンハイザーではポスト414系のHD-430がデビューしている。鑑賞用モデルが無い。
「*」付きはこの時期の新製品、「#」付きは生産中止品である。 (国内メーカー)
AIWA アイワ
AKAI アカイ
ASE-15-J ASE-26-J (動電全面駆動型) ASE-40-J
ASHIDAVOX アシダヴォックス
ST-90 ST-80 ST-12 ST-10 ST-900 ST-3 ST-200 ST-11S ST-3000R
AUDIO-TECHNICA オーディオテクニカ
ATH-3 ATH-4 ATH-5 ATH-6D (動電全面駆動型) ATH-1 (コンデンサー型) ATH-7 ATH-8
AUREX オーレックス(東芝)
HR-300* HR-201 HR-D2 HR-D3 (コンデンサー型) HR-F1 HR-XI HR-810U HR-1000
AZDEN アツデン
CLARION クラリオン
COLUMBIA コロムビア(日本コロムビア)=現DENON
CORAL コーラル
DIANGO ジャンゴ(NEC)=現NEC
DIATONE ダイヤトーン(三菱電機)
ELEGA エレガ
DR-219C DR-196C DR-203C DR-209C DR-206C DR-592C DR-247C DR-232CH DR-232CH MarkU DR-531C DR-631C
(動電全面駆動型) FR-901C
EXCEL エクセル
FONTEK RESEARCH フォンテック・リサーチ
(コンデンサー型) Minifon A-4 Minifon A-4/MK2 Minifon A-4/MK4
FOSTEX フォステクス
Lo-D ローディ(日立家電)
HD-3 HD-70# HD-5* HD-80# HD-90# HD-7* HD-9*
MICRO マイクロ
MX-5*
NAKAMICHI ナカミチ
NAPOLEX ナポレックス
SV-2# NEW TPH-100# モニターX-23# CTX-3# CTX-1MKU# X-01# (コンデンサー型) EX-1# NSA-3#
ONKYO オンキヨー
OPTONICA オプトニカ(シャープ)
OTTO オットー(三洋電機)
PIONEER パイオニア
SE-205 SE-2 SE-323 SE-255 SE-4 SE-305 SE-525 SE-405 SE-7 SE-9* MONITOR10 Eleven(SE-11) SE-15*
(ハイポリマー型) SE-700 (コンデンサー型) SE-1000* (無線機) SEW-5#
ROTEL ローテル
SANSUI サンスイ
SATOLEX サトレックス
DH-900 DH-910 DH-4000 (動電全面駆動型) DH-800 (コンデンサー型) EH-3500
SAWAFUJI サワフジ
SONY ソニー
DR-25# DR-S3 DR-27# DR-S4 DR-47# DR-30# MDR-3* DR-S6 DR-S7 DR-67# DR-4M# DR-55 DR-M5* MDR-5*
DR-Z5 DR-6M DR-Z6 DR-M7 DR-Z7 (4ch機) DR-41 (コンデンサー型) ECR-400# ECR-500# ECR-600* ECR-800
(無線機) DR-90
STAX スタックス
(コンデンサー型) SR-50* SR-5 SR-40 (システムSR-44として) SR-X/MK-3 SR-Λ* SR-Σ
TEAC ティアック
TECHNICS テクニクス=現PANASONIC
EAH-340 EAH-210 EAH-360 EAH-220 EAH-510 EAH-230 EAH-320 EAH-520 EAH-710 EAH-300 EAH-720
TRIO トリオ=現KENWOOD
KH-25 KH-35 KH-33# KH-45* KH-53# KH-65* (動電全面駆動型)
KH-73#
KH-85*
VICTOR ビクター
HP-303* HP-550 HP-660 HP-880 HP-1100 (4ch機) 4HP-V5 QTH-V7 (動電全面駆動型) HP-D30 HP-D50 HP-D70 HP-D90
YAMAHA ヤマハ
(動電全面駆動型) HP-3 HP-2 HP-1 YH-100* YH-5M HP-1000
(海外メーカー)
AKG (Austria) エーケージー(アーカーゲー)
K40 K80cockpit K140S K141 K160 K240 K241* K340*
B&O (Denmark) バング・アンド・オルフセン
BEYER (Germany) ベイヤー
DT-440 DT-480 DT-48 (コンデンサー型) ET-1000
ESS (U.S.A) イー・エス・エス
GRUNDIG (Germany) グルンディッヒ
KOSS (U.S.A) コス
HV/1 HV/1A HV/1LC TEAC/2 PRO/4AAA Technician/VFR DYNAMIC/10 (コンデンサー型) ESP/10
PEERLESS (Germany) ピアレス
PHILIPS (Holland) フィリップス
PICKERING (U.S.A) ピカリング
SENNHEISER (Germany) ゼンハイザー
HD-400 HD-44# HD-414X HD-420 HD-424X HD-430 HD-224X (無線機) HDI434/SI434 (コンデンサー型) unipolar2000
STANTON (U.S.A) スタントン
UHER (Germany) ウーヘル